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10月27日(木)晴 第十堰の扱いに変化?(河川分科会その2)

  きのうのブログで,昨日の河川分科会を「わずか1時間足らず」と書いたら,「いや45分だ」と指摘された。そうかもっと短かったのだ。 さらに 「ひどい審議会だったが,第十堰が障害物である,と明記されなかったのがせめてもの救いだった」 との傍聴者の感想を聞いて 「だけど姫野さんは,13日付の朝日新聞私の視点で 『第十堰を治水上支障となる固定堰だと位置づけ』たと言ってるぞ。いったいどっちなんだ」 という質問がきた。

 問題の箇所にはこう書かれている。
「さらに,治水上支障となる既設固定堰については,必要な対策を行い,計画規模の洪水を安全に流下させる」

  9月26日の小委員会の議論は,固定堰一般ではなくあきらかに第十堰に集中していた。河川局の説明資料も第十堰のみであった。また旧工事実施基本計画では,第十堰の可動堰化計画のことを”既設固定堰の改築”と記してあった。よってぼくは「方針案は第十堰を治水上支障となる固定堰だと位置づけた」と判断したのだった。

  ところが,昨日の河川分科会に出された説明報告書には,次のような注釈がついていた。
基本方針とは「整備により達成すべき機能等の目的や方向性を示すもの」。だから,第十堰を含む既設固定堰に関する記述は「個別施設の構造等を規定するものではない」というのである。

  つまり,これは第十堰をさした記述ではなく一般基準を言ったのだ,とわざわざ注釈をつけたのである。小委員会の議論にもかいま見えたが,第十堰の扱いをめぐっては内部でさまざまなせめぎあいがあることを伺わせるできごとといってよい。世論が押し戻したのである。
  こうして整備計画を作る前から「第十堰は障害物」という足かせが付くという最悪の事態は回避された。

  この日分科会に出席した飯泉知事について,徳島新聞記事は,「知事は,昨年三月に県が国交省に要望した吉野川の整備のあり方にも触れ『抜本的な第十堰のあり方を検討する場では、まずは可動堰以外のあらゆる方策から検討してほしい』との考えを重ねて主張した。
 知事は会議のあと報道陣に、基本方針の表現が第十堰の可動堰化に含みを残しているとの見方があることに対し『私の感覚は逆。原案を了承してもらったことで、要望が尊重されたと思っている』との見解を示した。」と書いている。さらに続いて,

 「傍聴した吉野川シンポジウム実行委員会の姫野雅義代表世話人は『古い考えと新しい考えがせめぎ合う過程で今回のような表現になったと思う。第十堰は治水上支障とならず、残すことこそ大事であることを、整備計画策定時に流域住民に広げていきたい』と話した。」とのぼくのコメントを並べた。

 流れがふたたび変わり始めたと感じさせる記事である。
by himenom | 2005-10-27 23:26
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