<   2005年 11月 ( 3 )   > この月の画像一覧

11月18日(金)快晴 国交省はなにをあわてているのか

急に冷え込んできましたがお変わりありませんか。
さて、吉野川など5水系の河川整備基本方針が今日付けで策定されました。
国交省の社会資本整備審議会で吉野川の基本方針の審議が始まったのが9月16日ですから、わずか2ヶ月で吉野川の長期方針が決まったことになります。

私たちは、2ヶ月前この審議が始まったことを知って驚き、ただちに森林の治水力に関する最新の研究成果を示して基本高水の検討を要望しましたが、説明の機会さえ与えられず、一方国交省の基本方針原案については、十分な根拠も示さないまま10月26日の河川分科会で了承されました。
そこで私たちは、11月14日、どういう根拠に基づいて基本方針を決めたのか説明を求め、データの開示を要請しましたが、河川計画調整室長の稲田修一氏から来た返事は、四国地整に情報公開法の開示請求をせよ、というものでした。

まるで、基本方針について住民に対する説明責任はない、というに等しく、せっかく住民がふるさとの川の将来像を進んで考えようとしても、これでは河川行政の住民参加はお題目にすぎません。
国交省はなにをそんなにあわてているのでしょう。
私たちは引き続きじっくりと説明を求めていくつもりです。

ニュースを聞いて友人たちにこんなメールを送った。
送られてきた国交省の回答書の茶封筒はボールペンで稲田氏の名前が書かれていた。ぼくよりほんの少しうまいがなんだかよく似た筆跡だった。いちど話をしてみたいと思った。
[PR]
by himenom | 2005-11-18 23:51

11月6日(日)雨 国交省へ質問(その2)

国交省への質問テーマは吉野川の洪水対策の基礎となる基本高水流量である。
基本高水流量というのは、ダム計画がある地域では、たいがい問題になる数字で、どんなふうに問題になるかというと、吉野川ではこうだった。

①150年に1度の確率で発生する大洪水を毎秒24000m3と定める。(基本高水)
     ↓
②これを人為的に毎秒18000m3(第十地点では19000m3)まで減らす。(計画高水) 
     ↓
③6000m3を減らすために4つのダム建設(と第十堰の可動堰化)が必要。(ダム計画)

このように、これらの高水がきまると、算数計算で、流れ作業のようにダム計画が生まれてくる。だが、吉野川にはもう4つもダムを作る適地はないし、お金もない。そこで23年間計画は放置されてきた。完成のめどはまったくない。これが昭和57年改定工事実施基本計画の現状である。

安全確保をダムでやると言っておきながら無責任な話だが、まずは事実は事実と認めることが大切である。そのうえでどのような安全確保の方法があるかその選択肢を提示する。それが行政の責任というものであろう。

実は全国各地でこういう状況になっている。そこで、洪水を河道内の算数計算で処理をする方式は破綻しており、このやりかただけでは安全確保はできない、という見方が急速に広まってきた。「河道主義治水」から「流域主義治水」への転換という考え方である。オーバーフローしても壊れない堤防にする。降雨をいっぺんに川に集めない。そうやって被害を減らす。

1996年建設大臣の諮問機関である河川審議会の答申は、この考え方に基づいてなされたものだ。97年の新河川法はこの答申をもとに作られている。だから新河川法を根拠とする今回の河川整備基本方針には、この理念が盛り込まれなければいけないのである。旧来の工事実施基本計画を安易に追認するだけではいけないのだ。

もちろんこれは簡単なことではない。従来の縦割り行政の枠を超える大仕事である。だからこそ5年前、吉野川みんなの会は、さまざまな分野の専門家に呼びかけて、流域主義治水の第一歩として森林の保水力を生かす研究に取り組んだのである。

その結果、流域面積の83%を占める森の状態を改善することによって基本高水が大幅に下がることがわかった。いわば洪水の発生には手をつけない「後手の治水」ではなく、洪水のピーク流量をあらかじめ下げようという「先手の治水」の可能性をデータをもって示したのである。

これは行き詰まっている現行昭和57年計画を打開するための住民からの提案でもある。
一方、現行24000m3の基本高水を追認した今回の国交省の検討作業に、これら流域主義治水の視点が、どのように盛り込まれていただろうか。基本方針を決めるためにはこんな議論を避けて通れないのである。
[PR]
by himenom | 2005-11-06 18:55

11月5日(土)晴 国交省へ要請書

きのう、国交大臣と河川分科会長あてに、要請書を郵送した。
そのあと、みんなの会代表の山下信良さんと徳島市議の村上稔さんと、
県庁で記者会見をした。ずいぶんたくさんの記者さんが来ていた。
以下はその要請書の全文である。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2005年11月4日
国土交通大臣 北側一雄 殿
社会資本整備審議会河川分科会会長 西谷剛 殿

NPO法人吉野川みんなの会
代表理事 山下信良
吉野川シンポジウム実行委員会
代表世話人 姫野雅義

吉野川水系河川整備基本方針に関するデータ等の開示要請書

平素の河川整備へのご尽力に敬意を表します。 
さて、今般国交大臣は,吉野川水系河川整備基本方針の原案を作成され,10月26日には河川分科会においてこれが了承されました。
私達は,長年よりよい吉野川のあり方を考えてきた吉野川流域の住民団体で,さる9月26日の基本方針検討小委員会に際しては,新しい科学的知見をもとに,基本高水の見直し等を要望したところです。
この科学的知見は,河川整備基本方針の議論に生かすために,住民たちが資金を出し合い,徳島市が予算支出をして,学者グループ吉野川流域ビジョン21委員会に研究委託をした研究成果であり,基本高水など重要な点において,このたび了承された基本方針案とは大きな違いがあります。
一方,基本方針案を審議した河川分科会には,私たちの知る限りでは方針原案を裏付けるデータはほとんど提出されておらず,どのような根拠に基づいて審議,了承することができたのか,理解に苦しむところです。
そこで,審議の透明性と公開性を高め,流域住民が納得できる検討過程となるよう,別紙質問事項のデータ開示請求にお答えいただきく要請するものです。

なお,ご回答は,11月18日までにお願い申しあげます。


別紙 質問趣旨と質問事項

1 吉野川ではこれまで13年間にわたって,住民と行政が第十堰可動堰化計画の科学的議論を行ってきた。河川事業として,日本初の住民投票も実施された。

More
[PR]
by himenom | 2005-11-05 10:40