2006年 05月 25日 ( 1 )

5月25日(木)晴 国交省発表の意味するもの

23日の国交省の発表は、徳島新聞が一面トップ記事で報道した。国交省のおかげでぼくにもたくさんの反応をいただいた。
「うわー驚いた。全国一進んでると思った吉野川で、どうしてこんなことがおこるんですか」
これは県外の方。県内外を問わずこの反応が非常に多い。県内からはこんなメールも来た。「普通の県民にとって、この度の発表がどういう意味を持つのかがとってもわかりにくい。いったいどうなっているんですか。」

「ふうむ、確かにわかりにくいかもしれませんね。ぼくが思うに、いまの吉野川の局面の特徴は、①「各論」の第十堰は目に見える範囲では止まっている②「総論」での対立もあまり見えない、だからわかりにくいのではないでしょうか。物事がはっきり見え出す前はわかりにくいものですが、見え出したときは手遅れということも多い。初期段階での対処が大事なのですね。難しいものです。いいお知恵を貸して下さい。」

こんな返事を書きかけたぼくは、知人みんなに報告メールを出すことにした。以下がそれである。国交省の方針の意味はどう伝わっただろうか。

姫野です。昨日、国交省から新たな動きがありました。19日の四国地整との話し合いは、ブログに書いたとおり何を聞いてもノーコメントでがっかりしましたが、それからわずか4日後のきのう、突然に吉野川整備計画の検討方針を発表しました。
一読して15年前に戻ったような錯覚を持ちました。
河川行政は住民参加型から距離を置き始めているようです。
以下ご報告します。

今回の方針の特徴は、①第十堰問題は先送りする②流域委員会は作らないという2点です。国交省のここ数年の特徴は、可動堰を浮上させはしないが必要性だけはゆずらない、住民や研究者と第十堰について話し合いはいっさいしない、ということでしたから、この傾向が整備計画作りにおいてもはっきり出たという印象です。

第十堰については、吉野川全域でもっとも危険とあれほど吹聴してきたくせに、なんの説明もなく先送りにしました。これは河川管理者として説明責任を放棄したものです。ただ気になる動きがあってそれは、土木学会など新たな御用学者の権威を使って理論的な巻き返しをはかろうとしているのではないかということです。

吉野川のような注目河川では流域委員会は必ず設置されると多くの人は考えていましたが、見事にはずれてしまいました。3分野の意見を聴く会でいくら丹念に意見を聴いても、聞き置くだけとなる公算がきわめて高いと思います。流域委員会との決定的な違いは、議論により計画を練り上げていく場がなく、さまざまな意見のとりまとめは国交省の腹一つとなったことです。

学識者会議のメンバーは旧建設省時代からの審議委員の常連ばかりです。総合的治水策導入のうえで注目されている新しいテーマ、例えば「緑のダム」について新しい知見を主張できる学者は誰も入っていません。国交省は委員の人選を一方的に決めるという最大の誤りをしてしまいました。住民合意は困難になるかもしれません。

昨年12月7日、渡辺河川局長が①徹底した情報公開、住民参加で整備計画を作る②第十堰は治水文化両面から考える③河川整備は森林と一体でやる、と約束したのは何だったのでしょうか。整備計画については地整マターだと言ったのは逃げ口上に過ぎなかったのか、責任ある答えをもらわなければいけません。

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-徳島新聞- DATE:2006/05/24 13:01
住民・首長・識者別に意見 吉野川整備で国交省、第十堰以外検討

 国土交通省四国地方整備局は二十三日、吉野川水系の河川整備計画策定に向け、「抜本的な第十堰(ぜき)対策」に先行して「それ以外の吉野川の河川整備」の検討に入る方針を示し、学識経験者と流域市町村長、流域住民の三者に分けて意見を聞く場を設けると発表した。

 早ければ六月にも計画の素案を作り、三者それぞれから意見聴取を始める構えで、計画策定作業を本格化させる。

 この日、徳島河川国道事務所で開いた徳島県との「吉野川河川整備連絡調整会議」の終了後、四国地方整備局の舘健一郎河川計画課長らが県庁で記者会見して明らかにした。

 住民からの意見聴取は、愛媛、高知両県の上流域二カ所、徳島県内で阿波市岩津より上流側の中流域一カ所、岩津下流側の下流域三カ所の計六会場を設け、自由参加の「流域住民の意見を聴く会」を開く。併せてファクス、郵送などで意見を募るパブリックコメントや公聴会も実施する。

 当初の国交省案では県内は三カ所だったが、県の要望で四カ所とした。

 市町村長の意見は<1>愛媛、高知両県の上流域七市町村<2>三好、美馬、東みよし、つるぎの中流域四市町<3>徳島、鳴門、吉野川、阿波各市と石井、松茂、北島、藍住、板野、上板各町の下流域十市町-の三地域に分けて「意見を聴く会」を開催。学識経験者の意見を聴く「吉野川学識者会議」は治水、利水、環境、地域文化などの研究者で構成し、池田早苗徳島大名誉教授ら十八人を選任した。

 国交省は、意見を聴く場それぞれに、河川整備計画素案を議論のたたき台として示す考えで、素案に対する意見を踏まえて計画策定の作業を進める方針。

 三者から意見を聴く会について、舘課長は「各地域の意見を十分に聴くために適宜開く。各会場とも複数回は開くことになると思う」と話した。

 また市民団体から、計画を議論する場に先立って住民参加や合意形成のあり方を話し合う準備会を設置するなど、住民意見を十分反映できる仕組みを求める意見が出ていたことに対し、舘課長は「流域の多様な意見を丁寧に聴き、くみ上げるには今回の方法がいいと判断した」とだけ答えた。

 吉野川の河川整備をめぐっては第十堰可動堰化計画が二〇〇〇年に白紙になったのを受け、国交省が〇四年四月、県の要望を受け入れる形で「抜本的な第十堰の対策」と「それ以外の吉野川の河川整備」を分けて検討する方針を表明。昨年秋の河川整備基本方針の策定を受け、整備計画作りのあり方を検討していた。

 抜本的な第十堰対策については、可動堰以外のあらゆる選択肢を検討・評価するため、戦後最大規模だった〇四年の洪水の分析をはじめ、基礎調査を引き続き行う必要があるとし、いつからどのような形で検討するかは「現段階で具体的に決まっていない」(舘課長)としている。

 
URL:http://www.topics.or.jp/News/news2006052406.html>
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by himenom | 2006-05-25 19:48