2005年 01月 28日 ( 1 )

北の零年を観た

「北の零年」を観た。凡作でがっかりした。せっかくの渡辺謙や吉永小百合ももったいなかった。「英雄たちの華やかな活躍の裏に名もなき日本人たちのもう一つの歴史があった」というコピーをみて実は密かに期待していたのである。これは徳島の汚名返上のチャンスかも。
 
渡辺謙たちが淡路島を追われる原因となった「稲田騒動」のことである。稲田家は蜂須賀家の家老だが先祖は同格の野武士だった。だから独立の気風が強い。維新のときにも明治政府に分藩運動を起こし蜂須賀とけんかになった。それが稲田騒動だ。

司馬遼太郎は「街道を行く」のなかで「時代の転換期にこれほど愚劣な争いもめずらしい」とあきれている。たしかに幕藩体制から近代国家への革命まっただなかにしては、時代に逆行するというか大きい理想と全く無縁の争いではあった。

司馬さんの語り口は「龍馬がゆく」などのトーンと明らかに違うのである。うーんくやしいけど、龍馬と比べられると、やっぱりはずかしいなあと、徳島人であるぼくは「街道を行く」を読むたびにシュンとなっていたのである。

だけど、うだつの町で有名な脇町の文化は稲田が作ったものだし、明治の自由民権運動でがんばった阿波自由党だって稲田の本拠地の美馬郡一帯が中心だったけどなあ、とぶつぶつ言うことしかできなかった。 

そこへ登場したのがこの映画である。近代国家の歴史からはじかれたゆめや理想の再発見が、ひょっとしてでてくるかも、と楽しみにしていたが、映画は時代考証や人物設定も不十分。みているうちだんだんしらけてきたのはぼくだけだったのか。
けど久しぶりで映画を見れたのはよかった。「北の零年」に感謝。
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by himenom | 2005-01-28 02:41