パキスタンでダム決壊 500名以上不明

パキスタン南西部バルチスタン州パスニ近郊で11日、豪雨のためダムが決壊し、下流の村が流された。少なくとも50人が死亡、約500人が行方不明になっている。州政府当局者などが明らかにした。

 決壊したダムは、かんがい用で03年に完成したばかりで幅150メートル。現地では激しい雨が1週間以上降り続いており、貯水を支えきれなくなったらしい。

 上空から視察したパキスタン海軍によると、ダム下流の村は完全に水没し、多数の住民が山手に避難している。海岸線を走る幹線道路が40キロにわたって冠水し、通信も途絶している。不明者の一部は、建物とともに、約30キロ下流のアラビア海まで流されている可能性があり、海軍などが潜水チームを現地に派遣した。 (以上02/11 21:30朝日)

同じ11日のニューヨーク発共同によると、地球の気候変化を調査しているNASAのゴダード宇宙研究所は、今年は温室ガス効果とエルニーニョ現象により、観測史上最大の猛暑になるとの予測をまとめた。
ということは、異常豪雨はさらに増えるということである。

一方、7日発表された国連の生態系評価報告書案によると、1950年からの40年間で世界の森林草地の14%が消失。このペースだと、2050年にはさらに20%が破壊され、人間生活そのものが破綻する、と警告している。

この三つのニュースは深刻ではあるが、互いにつながっていてわかりやすい。これから大災害がつぎつぎやってくること。それは人為的原因が大きいこと。人間活動のありかたを抜本的に変えなければならないこと。行く先ははっきりしているのだ。いま問題なのは間に合うかどうかなのである。

10日、吉野川みんなの会は報告会を開いた。ぼくは「緑のダム」の制度的背景をしゃべった。21世紀の山川と人のつきあいは①治山、遊水、堤防の組み合わせによる流域主義治水②棚田などさまざまな保水のしくみを取り戻す③そのかなめになるのが緑のダムだ。

「緑のダム」の考えとは、自然を有機的存在として認める思想方法論である。山川海を機能ごとにバラバラに分解し、そのあげく破綻した近代百年の河川、砂防、治山を転換するための、本質的で緊急を要する処方箋なのである。しかも安い。みんなに喜ばれる。やろうと思えばすぐできる。こんないい政策はないのである。

国交省はその効果が学会の定説になっていないから政策化はできないという。おかしな話だ。ならば「定説」だった河道主義による洪水計画がなぜいま実現不可能になっているのか。これから想定外の洪水に備えるための治水の転換政策をどう実現しようというのか。
政策は「定説」ができたからやるものではない。現実の必要性と将来構想で決めるものだ。治山治水は一朝にしてできるものではないのだから。

そんなことを言っているうち、なんだか力がはいってきて、こじらせていた風邪やら中耳炎やらも直りそうな気配になってきた。われながら現金なものだと帰りの車の中でひとり苦笑いした。
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by himenom | 2005-02-12 19:26
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