第2回吉野川堤防強化検討委員会開かれる

 8日、師走の忙しいときなので、すこし迷ったが、傍聴にいってきた。
この委員会は、近年大きな洪水がなく現堤防の安全性がよくわからない、として国交省が設置したもの。委員は石川浩徳島事務所長ほか山上拓男、岡部健士、澤田勤、三神厚の各氏(全員徳大工学部)である。

 受付で「お名刺を」といわれる。 おや?雰囲気がいままでと少し違うなあ。傍聴者は14~5名で、前回は見かけた可動堰推進派はいない。ほとんどは業者の方々のようである。
 審議は専門的なやりとりが続く。少しマニアックだ。こういう会議の聴き方にはコツがある。

 台風の四国上陸数は年0.7個だったのに、今年はなんと10個。おまけに台風23号洪水は史上最大の洪水だった。こういう異常気象はこれまでの河川整備を検証する絶好の機会のはず。これからの治水を考える教訓にすべきはず。さあどんな意見が出るか、と思いながら、ぼくは3時間半の審議を聞いていた。

 わかったこと
1台風23号は史上最大の洪水で、いたるところではんらんしたが、幸いなことに、吉野川の堤防は強かった。先人の努力のたまものだ。県内の床上浸水2600戸の原因はすべて支流のはんらんや内水によるものである。

2第十堰せきあげ論は空論であった。川内堤防の流失や川島堤防の陥没は第十堰周辺以外だし、六条大橋下流の護岸破損は「19000トンの洪水を問題にする前にやるべきことをやれ」といわれたようなものだ。

3一方堤防の点検(概略点検、詳細点検)は平成9年~15年にやっとおこなわれたと聞いて驚いた。これまで「河道容量第一主義」で、ダムや可動堰に血道をあげていたためだろう。

 国交省は「古い堤防は中身がわからない」と説明していた。事実かもしれないが、実はここから先の考え方が問題なのである。これまでは中身が不安だからダムや可動堰をじゃんじゃん作って洪水対策をすべき、となっていた。これは順序が逆。まず中身が信頼できる器を作ることが先決である。

 国交省は、今回の洪水で吉野川の洪水を流す器は十分大きいことがわかったので、これからは「壊れない堤防第一主義」へ重点を移す、こうはっきりいってほしいものだ。
 さらに大事なことがある。2600戸もの床上浸水のことである。いっさい取り上げられなかったのは問題。これは現実の洪水被害で、河川整備上の問題である。堤防整備との関係でその治水上の意味をあきらかにすべきだろう。

と、ブログの原稿を書いていたら、毎日放送テレビで委員会のニュースを見た人から電話がかかってきた。「吉野川の堤防が決壊寸前といってた」と言う。やれやれ「オオカミがくるぞー」のはなしがまた出ているのか。うんざりですねえ。
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by himenom | 2004-12-09 17:33
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